古代シュメール人が建築に用いた主要な材料は、日干しレンガ(mudbrick)です。粘土・シルト・砂・水を混ぜて作られたこの建材は、手作業や型を使ってレンガ状に成形し、太陽の下で乾燥させて完成させます。用途によっては、窯で焼き上げられることもありました。
日干しレンガとは?
日干しレンガは、粘土、シルト(沈泥)、砂、水を混ぜ合わせた混合物を成形し、天日で乾燥させた建材です。焼成に燃料が不要なため製造コストが低く、誰でも比較的簡単に作れる点が大きな特徴です。
なぜシュメール人は日干しレンガを選んだのか
シュメール人がこの素材を広く活用した背景には、主に次の3つの理由があります。
- 入手が容易で安価:ティグリス川とユーフラテス川に挟まれたメソポタミアでは、良質な粘土が至る所で採れました。石や木材が乏しい地域だったため、土から作れるレンガは理想的な建材でした。
- 気候への適性:高温で乾燥したメソポタミアの気候は、天日乾燥によるレンガ作りに最適な環境でした。
- 加工のしやすさ:素材が柔らかいうちに自由に成形できるため、大規模な建造物も効率的に築くことができました。
ジッグラトなど巨大建造物にも使用
ウルのジッグラトに代表されるシュメールの記念碑的建築も、日干しレンガを積み上げて造られました。ただし日干しレンガは水に弱いという弱点があるため、雨や浸水にさらされる部分には耐久性の高い窯焼きレンガが使われ、接合材として天然アスファルト(ビチューメン)が塗られることもありました。
まとめ
古代シュメール建築の中核を支えたのは、粘土と水から生まれた日干しレンガです。安価で入手しやすく、乾燥した気候にも適していたこの素材こそが、メソポタミア文明の都市や神殿を形づくる基盤となったのです。