インディアン準州への強制移住とは
19世紀のアメリカ合衆国では、1830年に成立した「インディアン移住法」に基づき、東部に暮らす多くのネイティブ・アメリカン部族が、祖先伝来の土地からミシシッピ川以西の「インディアン準州」(現在のオクラホマ州)へと強制的に移住させられました。
チェロキー族、チカソー族、チョクトー族、クリーク族、セミノール族からなる「五大文明部族」の悲劇は広く知られていますが、実はそれ以外にも多数の部族が同じ運命をたどりました。ここでは、インディアン準州への移住を余儀なくされた主な部族を紹介します。
移住を強いられた主な部族
1. ショーニー族
オハイオ川流域を本拠地としていましたが、1832年、望まないままインディアン準州への移住に同意せざるを得ませんでした。
2. デラウェア族
大西洋岸中部地域に起源を持つ部族で、何段階にも分けて西へと追い立てられ、最終的にインディアン準州へ定住しました。
3. ポタワトミ族
五大湖地方の土地から圧力を受け、インディアン準州への移住を強いられ、同地に再定住することとなりました。
4. オタワ族
ミシガン州やウィスコンシン州出身で、ポタワトミ族とともにインディアン準州へと移動しました。
5. キカプー族
イリノイ州・インディアナ州地域から来た部族です。当初は抵抗を見せましたが、最終的にはインディアン準州への移住を余儀なくされました。
6. セネカ族とカユーガ族
主にニューヨーク州に定住していたイロコイ連邦に属する部族ですが、その一部の成員もインディアン準州へ移住しました。
7. ワイアンドット族
オハイオ州とミシガン州が故郷で、1840年代にインディアン準州への移住を義務付けられました。
8. マイアミ族
インディアナ州出身の部族で、複数の段階を経てインディアン準州への移住を迫られました。
9. サック族とフォックス族
当初はアイオワ州とイリノイ州に居住していましたが、白人との紛争の末、インディアン準州への移住を強制されました。
10. アイオワ族
現在のアイオワ州の出身で、19世紀半ばにインディアン準州へと長い旅路をたどりました。
11. クアポー族
インディアン準州に隣接する地域の原住民でしたが、入植者による土地の侵食に直面し、最終的に同地に居留地を割り当てられました。
12. カドー族
カドー連合は、現在のテキサス州、ルイジアナ州、アーカンソー州、オクラホマ州にまたがる地域に居住していましたが、強制移住によってインディアン準州へと移されました。
強制移住が残した深い傷跡
以上に挙げたのは、インディアン準州への強制移住の影響を受けた無数の部族のほんの一例にすぎません。この移住の時期およびその後、ネイティブ・アメリカンの諸部族は文化的・社会的・経済的に甚大な困難に直面し、その生活様式や伝統は何世代にもわたって深刻な影響を受け続けました。なかでも「涙の道」と呼ばれる強制移住の道程では、病気や飢え、過酷な環境により多くの命が失われたことは、決して忘れてはならない歴史です。