チューダー朝(1485年〜1603年)のイングランドにおいて、庭は単なる装飾品ではなく、毎日の食卓を支える大切な「台所」でした。農民の小さな裏庭から貴族の館に付属する広大な菜園まで、人々は季節の野菜、果物、ハーブを丹念に育てていました。ここでは、チューダー時代の庭で実際に栽培されていた作物を、カテゴリー別にご紹介します。
チューダー時代に栽培されていた野菜
野菜は庶民の食事の中心であり、スープやポタージュ(pottage)の具材として毎日のように食べられていました。
- キャベツ
- ニンジン
- キュウリ
- タマネギ
- エンドウ豆
- ラディッシュ(二十日大根)
- ホウレンソウ
- カブ
庭で楽しめる果物
果物は生食のほか、保存食としても重宝されました。富裕層の庭では壁に沿って果樹が仕立てられ、美観と実用を兼ね備えていました。
- リンゴ
- サクランボ
- フサスグリ(カシス)
- グーズベリー(西洋スグリ)
- ブドウ
- ナシ
- スモモ
- イチゴ
料理と薬に欠かせないハーブ
ハーブは料理の香り付けだけでなく、当時の医学において薬としても重要な役割を担っていました。ほとんどの家庭が何種類ものハーブを庭に植えていたといわれています。
- バジル
- ローリエ(月桂樹の葉)
- チャイブ(アサツキ)
- マジョラム
- ミント
- オレガノ
- パセリ
- ローズマリー
- セージ
- タイム
まとめ
チューダー時代の庭は、実用性を最優先した「キッチンガーデン」でした。野菜で腹を満たし、果物で甘みを楽しみ、ハーブで味と健康を守る——こうした自給自足に近い園芸文化が、当時の人々の暮らしを支えていたのです。