「チューダー時代が中世に変化したのでは?」という疑問を持つ方もいますが、これは誤解です。実際にはその逆で、中世が終わった後にチューダー時代がやって来ました。つまり、歴史上の正しい順序は「中世 → チューダー時代」となります。
中世とはいつからいつまで?
中世(中世ヨーロッパ)は、一般的に5世紀の西ローマ帝国滅亡(476年頃)から、15世紀後半に始まる近代初期までを指す時代区分です。
中世の終わりに明確な境界線があるわけではなく、以下のような出来事が区切りの目安とされます。
・1453年のコンスタンティノープル陥落(東ローマ帝国の滅亡)
・同じく1453年の百年戦争の終結
・1492年のコロンブスによるアメリカ大陸到達
チューダー時代(チューダー朝)とはどんな時代?
チューダー朝は、1485年にヘンリー7世が王位に就いてから、1603年にエリザベス1世が死去するまで続いたイングランドの王朝です。ヘンリー8世やエリザベス1世といった、歴史上有名な君主を多数輩出したことで知られています。
この時代は、ルネサンス文化の受容、宗教改革、大航海時代の進展など、ヨーロッパ全体が中世的な世界から近代へと移行していく過渡期にあたります。イングランド史では通常、「近代初期(アーリーモダン期)」に分類されます。
なぜ「中世」と混同されやすいのか?
チューダー時代にも、城や騎士、封建社会の名残など「中世的」なイメージを持つ要素が色濃く残っていました。また、時代区分そのものに曖昧さがあるため、両者が混同されることがあります。しかし年代で見れば、両者はほぼ重なることなく、中世の直後にチューダー時代が位置しています。
まとめ
チューダー時代が中世に「変化」したわけではなく、中世(5世紀〜15世紀後半)の後にチューダー時代(1485〜1603年)が続いたというのが正しい歴史的順序です。この時代の流れを押さえておくと、イギリス史やヨーロッパ史全体の理解がぐっと深まります。