ナバホ族が硫黄島に旗を掲げたという記録はない
結論から言えば、硫黄島で星条旗を掲げた人物の中に、ナバホ族の兵士は確認されていません。1945年2月23日、硫黄島の摺鉢山(すりばちやま)頂上で行われた旗掲揚は、従軍カメラマンのジョー・ローゼンタール氏が撮影した一枚の写真として世界に知られる歴史的瞬間ですが、その場に立っていたのは以下の6人です。
摺鉢山で旗を掲げた6人の兵士
・マイケル・ストランク軍曹(Sergeant Michael Strank)
・ハーロン・ブロック伍長(Corporal Harlon Block)
・アイラ・ヘイズ一等兵(Private First Class Ira Hayes)
・ハロルド・シュルツ一等兵(Private First Class Harold Schultz)
・フランクリン・スーズリー一等兵(Private First Class Franklin Sousley)
・ジョン・ブラッドリー海軍衛生兵二等兵(Navy Pharmacist's Mate Second Class John Bradley)
なぜ「ナバホ族」という誤解が生まれたのか
この誤解の一因と考えられているのが、旗手の一人であるアイラ・ヘイズ一等兵です。彼はネイティブ・アメリカンでしたが、出身部族はアリゾナ州のピマ族であり、ナバホ族ではありません。さらに、第二次世界大戦中に暗号通信兵(コードトーカー)として多大な貢献をしたナバホ族の存在が広く知られていることも、「硫黄島といえばナバホ族」というイメージを生んだ背景にあるかもしれません。
いずれにしても、歴史的記録によれば、あの有名な旗掲揚に関わったのは上記の6人であり、その中にナバホ族の兵士は含まれていないのです。