青銅器時代(およそ紀元前3300年~紀元前1200年頃)の人々は、農耕と牧畜を基盤とした食生活を送っていました。当時の食卓には、どのような食材が並んでいたのでしょうか。考古学的な発掘調査や炭化した種子の分析などから、その実態が少しずつ明らかになっています。
主食となる穀物
青銅器時代の食生活の中心だったのは、小麦、大麦、オート麦(えん麦)、ライ麦、そしてアワやキビなどの雑穀です。これらの穀物は、パン、お粥(ポリッジ)、さらにはビールの原料として利用されていました。特に大麦は栽培が容易で寒冷な気候にも強かったため、ヨーロッパ各地で広く栽培されていました。
野菜
野菜も食卓に欠かせない存在でした。タマネギ、ニンニク、リーキ(西洋ネギ)、ニンジン、カブ、ビーツ、ラディッシュ、レタス、キャベツなど、多彩な野菜が栽培されていました。これらは生で食べられることもあれば、加熱調理したり、乾燥させて保存食にしたりすることもありました。
果物
ブドウ、イチジク、リンゴ、ナシ、スモモなどの果物も一般的に食べられていました。生食のほか、乾燥させて保存性を高めたり、ワインなどに加工されたりしていました。特にブドウは、ワイン醸造文化とともに地中海世界で重要な作物となっていきました。
ナッツ類
アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツといったナッツ類も、タンパク質や脂質の貴重な供給源でした。そのまま生で食べることもあれば、ローストして風味を引き出したり、粉にひいて小麦粉に混ぜて使ったりすることもありました。
肉類
肉は青銅器時代の食事において重要な位置を占めていました。牛肉、豚肉、羊肉、ヤギ肉のほか、狩猟で得たシカ肉なども食べられていました。調理法としては、焼く、茹でる、シチューのように煮込むのが一般的でした。家畜は食用だけでなく、乳や労働力としても活用され、人々の生活を幅広く支えていました。
魚介類
魚もまた、重要なタンパク源でした。川や湖、海で漁獲された魚は、新鮮なまま調理されるか、干して保存食として利用されました。海沿いの地域では魚の干物や塩蔵品が交易品としても扱われ、内陸部へと運ばれていきました。
乳製品
牧畜文化の発展とともに、乳製品も食生活に定着していきました。乳、チーズ、バターなどが日常的に消費されており、特にチーズは保存がきくことから重宝されていました。
まとめ
青銅器時代の人々の食事は、穀物を主体としながらも、野菜・果物・ナッツ・肉・魚・乳製品と、想像以上にバランスの取れたものでした。金属器の登場により農具が改良され、食料生産が向上したことも、豊かな食生活を支える要因となりました。こうした食の基盤は、後の文明の発展へとつながっていくのです。