クレイモアという名前の由来
「クレイモア(Claymore)」という剣の名前は、スコットランド・ゲール語にその起源を持つと言われています。ケルト系言語であるゲール語の成句「claidheamh mór」から直接名付けられたとされることもありますが、正確には、この名前は以下の2つの言葉の組み合わせによって成り立っています。
- claidheam(h) … 「剣」を意味する言葉(単数属格形は「claidheimh」)
- mòr … 「大きい」「偉大な」を意味する言葉
つまり「クレイモア」とは、直訳すれば「偉大な剣(great sword)」であり、中世において大型の剣を指すために用いられていた言葉なのです。
バスケットヒルト・ブロードソードとの混同に注意
スコットランド・ゲール語の「claidheamh mór」が指すのは、籠状の鍔(バスケットヒルト)を備えたブロードソードではありません。この言葉が本来指していたのは、それよりも長く、時代も古い中世の大型武器、すなわち両手で振るう長剣こそが該当します。
一方、バスケットヒルト(籠手状の護り)を備えたスコットランドのブロードソードは、中世以降(ポスト・メディエバル)に開発されたものであり、クレイモアとは別の系譜に連なる武器です。
バスケットヒルトのゲール語での呼び名
興味深いことに、スコットランド・ゲール語ではバスケットヒルトに対して、独自の名称が与えられていました。
- beart dearg(ベアト・デアグ) … 「赤い稲妻」の意
- cas chrom(カス・クロム) … 「曲がった足」の意
クレイモアの愛称
なお、クレイモアはその独特な形状と用途から、「スコティッシュ・バスタード・ソード(Scottish Bastard Sword)」という愛称で呼ばれることもあります。スコットランドの歴史と伝統を感じさせるこの剣は、今なお多くの歴史愛好家や武具収集家を魅了し続けています。