結論から言えば、答えは「ノー」です。
古代ローマ人は、最高神ユピテル、軍神マルス、愛と美の女神ウェヌスなど、数多くの神々や女神を崇拝する多神教の信仰を持っていました。しかし、現在のローマの人々が、これらの古代の神々を宗教的な信仰の対象として崇拝することはありません。
キリスト教への移行
西暦5世紀に西ローマ帝国が滅亡すると、ヨーロッパでは次第にキリスト教が支配的な宗教として定着していきました。とりわけローマはカトリック教会の中心地として発展し、市内にはローマ・カトリックの総本山であるバチカン市国が存在しています。
今日、ローマをはじめとするイタリア人の大多数はキリスト教徒であり、その多くがローマ・カトリックの信者です。日曜日のミサや教会の祝祭など、信仰生活はキリスト教を中心に営まれています。
古代の神々は文化遺産として現代に残る
とはいえ、古代ローマの神々が完全に消え去ったわけではありません。神話や伝説は、文学、美術、映画、そしてパンテオンのような観光名所を通じて、文化的遺産として現代にも受け継がれています。
また、歴史や古典への関心から古代宗教を研究する学者や、ごく少数ながら古代の信仰を復興しようとする人々も存在します。しかしこれらはあくまで文化的・学術的な関心の範囲にとどまるものであり、ローマ社会全体の主流の信仰ではないのです。