古代の歴史

「古いロープで楽して稼ぐ」の由来とは?イギリス海軍から生まれた英語表現の謎

英語には「money for old rope(古いロープのためのお金)」という興味深い慣用表現があります。これは「ほとんど労力をかけずに簡単に稼げるお金」「タダ同然のものから得られる利益」を意味する口語表現です。一体なぜ「ロープ」がこの言葉の鍵となったのでしょうか?

18世紀のイギリス海軍とロープの関係

この表現の起源は、18世紀のイギリス海軍(Royal Navy)にさかのぼります。当時の軍艦は帆走船が主流であり、帆を操作したり荷物を固定したりするために、膨大な量のロープが必要でした。そのため、海軍は常に大量のロープを消費しており、摩耗した古いロープも次々と発生していました。

使い古されて強度を失ったロープは、航海の安全に関わるため「役立たず」とみなされ、通常は廃棄処分になっていました。しかし、ここに目をつけたのが抜け目ない人々だったのです。

廃棄物が小遣いに変わる仕組み

彼らは捨てられるはずの古いロープを回収し、船舶用品商(マリンチャンドラー)やロープ製造業者に売却しました。実は、古びたロープにも再利用価値があったのです。繊維をほどいて新しいロープの材料にしたり、詰め物やその他さまざまな用途に活用したりすることができました。

こうして「捨てるだけの価値しかないはずの古いロープ」が、わずかな手間で確実な収入源になったのです。この実践から生まれたのが「money for old rope」という言い回しであり、やがて「価値がないように見えるものや、ほとんど努力を必要としない仕事からでも利益を得られること」を指す日常的な表現として定着しました。

現代での使われ方

現在では、この表現は主にイギリス英語で使われており、「あの仕事は楽すぎて money for old rope だ」のように、楽に稼げる状況を皮肉や感嘆を込めて表現する際に用いられます。日本語の「棚からぼた餅」「濡れ手で粟」に近いニュアンスですが、こちらは自分の行動によって無駄なものをお金に変えるという含みがある点が特徴的です。

身近にある不要品をフリーマーケットやネットオークションで売って小遣い稼ぎをする現代の行為も、まさにこの精神を受け継いだものと言えるでしょう。