古代ローマの結婚式で交わされた誓いの言葉
古代ローマの結婚式では、花嫁が伝統的にラテン語のフレーズ「Ubi tu Caius, ibi ego Caia(ウビ・トゥ・カイウス、イビ・エゴ・カイア)」を唱えていました。その意味は、「あなたがいるところ、私のカイウスよ、そこに私もあなたのカイアとして在ります」というものです。
「カイウス」と「カイア」が表すもの
ここで登場する「カイウス(Caius)」と「カイア(Caia)」は、特定の人物の名前ではなく、夫と妻を指す慣習的な呼び名でした。つまりこの言葉は、「あなたの行く先がどこであろうと、私は妻としてついていきます」という、夫婦が今後の人生を共に歩むという固い誓いを表していたのです。
儀式の中での役割
この誓いの言葉は、小麦で作ったケーキを神々に捧げて結ばれる厳格な宗教儀式「コンファッレアーティオ(confarreatio)」などの場で、新郎新婦が右手をつなぐ際に花嫁によって口にされたとされています。妻が夫の家に迎え入れられ、その家族の一員となったことを象徴する、結婚式の中核をなす言葉でした。
現代へ受け継がれるローマの結婚観
「Ubi tu Caius, ibi ego Caia」は、良き日も苦しい日も夫婦が分かち合うという、普遍的な愛の誓いを今に伝える言葉です。現代の結婚式で新郎新婦が交わす誓約の言葉にも、2000年以上前のこのローマの精神が息づいていると言えるでしょう。