古代ローマ人はワインをこよなく愛し、さまざまなぶどう品種と発酵技術を駆使して、実に多彩なワインを生み出していました。ここでは、ローマ人が日常的に楽しんだ代表的なワインの種類を6つご紹介します。
1. ファレルヌム(Falernum)
古代ローマで最も有名かつ高く評価されていたワインの一つです。イタリア・カンパニア地方で生産され、アリアニコ種とピエディロッソ種のぶどうから造られていました。濃厚な風味と豊かな香りで知られ、飲む前に数年間熟成させるのが一般的だったといいます。
2. カイクバヌム(Caecuban)
もう一つの名高いローマンワインです。イタリア・ラツィオ地方で生産され、トレッビアーノ種とサンジョヴェーゼ種のぶどうを使用していました。高品質なワインとして特別な機会に供されることが多く、深い赤色と力強くコクのある味わいが特徴でした。
3. マシカヌム(Massican)
カンパニア地方産のワインで、ファランギーナ種のぶどうから造られていました。軽やかでフルーティー、ほのかな酸味を持つ飲みやすいタイプで、食事の席で楽しまれることが多かったようです。
4. アルバヌム(Albanum)
ローマ郊外のアルバノ丘陵地帯で生産されたワインです。トレッビアーノ種とマルヴァジア・ビアンカ種のブレンドにより、繊細で花のような香りとわずかに甘い味わいが特徴でした。夏の爽快な飲み物として、冷やして楽しむのが定番だったといわれています。
5. サビヌム(Sabinum)
ローマの北東に位置するサビーニ丘陵地帯産のワインです。トレッビアーノ種とサンジョヴェーゼ種のブレンドで、素朴で土を思わせる風味と高いタンニン含有量が特徴でした。タンニンを和らげるために、数年間じっくり熟成させてから飲むこともあったそうです。
6. セティヌム(Setinum)
ローマの南東にあるセッツェ地方で生産されたワインです。モスカート・ディ・テラチーナ種のぶどうを使用し、際立った甘さと華やかな香りで知られていました。デザートワインとして供されたり、ホットワインの材料に使われたりすることもありました。
まとめ
以上が、古代ローマ人が楽しんだ数多くのワインのほんの一例です。ローマ人は非常に洗練されたワイン文化を持ち、味わいの魅力だけでなく、社交や儀式における重要な役割においても、ワインを深く尊重していたのです。