フランス中東部ブルゴーニュ地方の都市オータン(Autun)にあるサン=ピエール=レストリエ(Saint-Pierre-l'Estrier)初期キリスト教墓地では、これまでに約150基の埋葬が発掘されました。調査の結果、埋葬形態に極めて豊かな多様性があることが明らかになっています。

発掘現場の空撮。
2020年7月3日、発掘調査の実施機関からの発表によると、紀元3世紀半ばから5世紀にかけての150基の墓が出土し、そのうちの一基には保存状態の良い遺体が納められている可能性があるといいます。調査は、北ガリアにおける重要な墓地の発掘として実施されました。
ガリアにおける最古級のキリストへの言及
住宅建設に先立つ事前考古学調査によって、初期キリスト教会堂サン=ピエール=レストリエの近隣に墓地の存在が判明しました。調査を担当する国立予防考古学研究所(Inrap)によれば、ここには「北ガリア北半分における最古のキリスト教埋葬」が含まれています。
また、この一帯からは「4世紀にさかのぼるペクトリオス碑文」と呼ばれる、ガリアで最も早い時期のキリスト(イエス)への言及の一つがすでに発見されています。
現場責任者を務める考古学者キャロル・フォスリュリエ(Carole Fossurier)氏は「調査は、古代ローマ都市の北東に位置し、手つかずのまま残されていた広さ3ヘクタールの大規模な葬送遺跡のうち、1,300平方メートルの区画で進められている」と説明します。紀元前1世紀に建設されたローマ都市オータンは、古代末期以降、中世キリスト教の重要な中心地の一つであり続けてきました。
8月に開棺される未開封の石棺
150基の墓の調査にあたった8人の考古学者チームは、砂岩製の石棺を複数発見しました。そのうちの一基は約1,500年前のもので「今なお密閉された状態」にあり、「保存状態の良い遺体が現れる可能性がある」と、発掘の共同責任者ニコラ・ティスラン(Nicolas Tisserand)氏がAFP通信に語りました。遺体には当時の衣服が残されている可能性もあります。この墓は、8月に予定される調査の最終段階で開棺される計画です。
その他の被葬者は、通常は木製の棺に収められていましたが、鉛製の棺も確認されています。また、瓦(タイル)で覆われた棺台も見つかっています。
Inrapは「墓から副葬品はほとんど出土しないが、これは後期古代の葬送習慣と一致する事実だ」と強調します。ティスラン氏は「何も見つからなかったのは、被葬者がキリスト教の教えに従い、最も質素な姿で埋葬されたためだ」と述べています。

保存状態の良い頭蓋骨や骨を含む鉛製の棺。提供:Inrap
鉛製の棺はフランス北部では非常に珍しいものです。オータンは約40例が知られる国内有数の出土地点であり、今回の調査だけでも8例が確認されました。多くの場合、銘文や装飾は施されていませんが、「一部には解釈が難しい十字形の刻印が見られるものもある」と研究所は明らかにしています。
さらに調査では、10平方メートルの方形をした石造霊廟6基の遺構と、「少なくとも一つの墓を含む」痕跡、そして「木造建築物」の痕跡も検出されました。
忘れ去られた後、現在ようやく研究対象となったこの墓地は、長い間人々の記憶に留まっていました。なんと18世紀には、いくつかの霊廟がまだ目視できる状態だったというのです。
AFP通信との協力による記事