ネイティブアメリカンが家を建てる際に使用した日干しレンガは、「アドベ(adobe)」と呼ばれています。アドベは、アメリカ南西部などの乾燥地帯で古くから親しまれてきた伝統的な建材です。
アドベの材料と作り方
アドベは、粘土・砂・水に、藁(わら)や動物の糞といった有機物を加えて混ぜ合わせて作られます。この混合物をレンガの形に成型し、あとは天日でじっくりと乾燥させるだけで完成します。窯で焼く必要がないため、非常にシンプルで環境への負荷も少ない製法です。
なぜアドベが選ばれたのか
アドベレンガは何世紀にもわたって、高温で乾燥した気候の地域における住居建設に使われてきました。その理由は以下の通りです。
- 優れた耐久性: 適切に維持されれば、数百年にわたり建物を保ち続けることができます。
- 高い断熱性(エネルギー効率): 昼間の暑い空気中の熱を壁が吸収し、夜になって気温が下がるとゆっくりと熱を放出します。これにより、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境が保たれます。
- 材料の入手しやすさ: 粘土や砂など、現地で調達できる身近な素材だけで作れる点も大きな魅力でした。
現代に残るアドベ建築
プエブロ族などのネイティブアメリカンの集落では、現在でもアドベ造りの建築が受け継がれています。ニューメキシコ州のタオス・プエブロのように、アドベ建築の価値が認められ、世界遺産に登録されている例もあります。自然素材を活かしたアドベは、省エネ建築が注目される現代において、改めてその知恵が見直されている存在なのです。