1922年、王家の谷で眠っていた少年王の墓
1922年、イギリスの考古学者ハワード・カーターは、ルクソール西岸に位置する「王家の谷」で、古代エジプト第18王朝のファラオ、ツタンカーメンの墓を発見しました。この発掘事業は、カーナヴォン伯爵の資金援助のもとで長年にわたり進められてきたものであり、粘り強い探索の末についに実を結んだ、考古学史上屈指の歴史的瞬間でした。
奇跡的に保存された墓室と膨大な副葬品
封印された扉が開かれたとき、そこには約3,300年の歳月を経てもなお、ほぼ完全な状態で残された宝物庫が広がっていました。豪華な家具類、美しい宝石や装身具、神々や王をかたどった彫像、そして燦然と輝く黄金の工芸品など、5,000点を超える副葬品が墓室に納められていたのです。さらに、ファラオであるツタンカーメン自身のミイラも、幾重にも重ねられた棺に守られ、ほぼ無傷のまま発見されました。
約110キログラムの純金の外棺
数々の発見の中でも特に有名なのが、ツタンカーメンの外棺です。この棺はなんと約110キログラムもの重さを持つ純金製で、その圧倒的な輝きは発見に関わった人々を驚嘆させたといわれています。棺の中には、若くして世を去った少年王のミイラが、有名な黄金のマスクを着けた姿で安置されていました。
世界を震撼させた大発見の影響
この発見はたちまち世界中の新聞の見出しを飾り、「ツタンカーメン」の名は一躍世界的な知名度を獲得しました。墓の発掘は、古代エジプトの歴史や文化に対する人々の関心を大きく高め、エジプト学研究の発展や博物館展示の人気にも計り知れない影響を与えました。今日でも、ツタンカーメンの墓は考古学史上最も重要かつ華麗な発見の一つとして語り継がれています。