チチェン・イッツァ(Chichén Itzá)は、メキシコのユカタン半島北部に位置する、マヤ文明を代表する大都市遺跡です。かつてこの都市が覆っていた範囲は、およそ10平方キロメートル(約4平方マイル)に及んだと考えられています。
都市としての広がり
10平方キロメートルという面積は、単なる神殿群の範囲ではなく、居住区や広場、道路(サクベ)などを含む都市全体の広がりを指します。現在観光客が訪れる中心部には、ククルカンのピラミッドとして知られる「エル・カスティージョ」や戦士の神殿、大きな球戯場などが集中していますが、古代にはその周辺にも多くの建物が立ち並んでいました。
最盛期の人口は最大5万人
チチェン・イッツァが最も栄えた古典期後期(Late Classic period)には、人口は最大5万人に達した可能性があるとされています。当時としては非常に大きな都市であり、周辺地域から人々が集まる政治的・宗教的な中心地として機能していました。
豊かな水場である「セノテ」(石灰岩地帯の陥没穴にできた泉)に恵まれていたことも、この乾燥した地域で大都市が発展できた大きな要因の一つです。特に「聖なるセノテ」は雨の神への捧げものを行う儀式の場として重要視され、遠方からも巡礼者が訪れたといわれています。
まとめ
チチェン・イッツァは約10平方キロメートルの市域を持ち、最盛期には5万人もの人々が暮らした可能性のある、マヤ文明屈指の大都市でした。その壮大な遺構からは、高度な建築技術と宗教的な権威のもとで栄えた古代都市の姿をうかがい知ることができます。