考古学的発見

ミイラはどこにどう埋葬されたのか?古代エジプトの埋葬方法を解説

古代エジプトでミイラが埋葬される際、遺体は通常、精巧に装飾された棺(ひつぎ)や石棺(せっかん)に収められました。これらの容器には木材、石材、金属などが用いられ、彫刻や絵画、ヒエログリフ(神聖文字)で華やかに飾られていました。

ミイラを守るための多重構造の棺

王族や貴族の場合、ミイラは人間の形をした内棺に納められ、さらにその外側に複数の棺を重ねて保護することもありました。有名なツタンカーメン王の墓では、黄金の内棺を含む何層もの棺が発見されており、当時の埋葬の丁寧さと死者への敬意がうかがえます。

埋葬室へ安置され、厳重に封印

棺はその後、埋葬室(墓室)に運ばれて安置されました。埋葬室の場所はさまざまで、岩を掘って造られた墓、ピラミッド、あるいはその他の専用建造物の中に設けられることが一般的でした。特に新王国時代のファラオたちは、盗掘を防ぐためにルクソール西岸の「王家の谷」に隠れるように墓を造営したことでも知られています。

墓を閉ざす理由

埋葬が終わると、墓室は厳重に封印されました。これは単なる儀式ではなく、ミイラと副葬品を盗掘者や外的な危険から守るための重要な措置でした。しかし残念ながら、多くの王墓は古代から繰り返し盗掘の被害を受けており、ほぼ無傷で見つかったツタンカーメン王の墓は例外的な存在といえます。

このように、古代エジプトのミイラ埋葬は、来世での再生を信じる宗教観に基づき、棺・埋葬室・封印という多層的な仕組みによって死者を永遠に守ろうとした壮大な文化だったのです。