考古学的発見

エジプトのカノプス壺はいつ発見された?歴史と役割をわかりやすく解説

古代エジプトのミイラ製作に欠かせない「カノプス壺」。その存在が西洋世界に広く知られるようになったのは、18世紀以降に始まった本格的な考古学調査がきっかけでした。なかでも、イタリア出身の探検家ジョヴァンニ・ベルゾーニが19世紀初頭に行った王家の谷(テーベ西岸)での発掘調査は、数々の王墓や副葬品の発見につながり、カノプス壺の研究にも大きな影響を与えました。

カノプス壺とは何か

カノプス壺は、ミイラを作る過程で遺体から取り出した内臓を保管するために用いられた、石製または陶器製の容器です。古代エジプト人は遺体の保存を極めて重視しましたが、肝臓・肺・胃・腸は腐敗しやすいため、これらを取り出して別々の壺に納めました。

興味深いことに、心臓だけは「知性と感情の座」とみなされていたため、あえて体内に残されました。これは、来世の審判で心臓が天秤にかけられ、その善悪が量られるという信仰によるものです。

ホルス神の4人の息子による守護

新王国時代以降のカノプス壺には、それぞれホルス神の4人の息子が守護神として配されました。

・インプゥ(人間の頭):肝臓を守護
・ハーピー(狒狒の頭):肺を守護
・ドゥアムテフ(狼の頭):胃を守護
・ケベクセヌウフ(隼の頭):腸を守護

このため、壺の蓋にはこれらの神々の頭部をかたどった装飾が施されるのが一般的となりました。

現代に残るカノプス壺

発掘されたカノプス壺の多くは、大英博物館、ルーヴル美術館、カイロのエジプト博物館など、世界各地の主要な博物館に収蔵されています。精巧な細工と鮮やかな色彩を持つこれらの壺は、古代エジプト人の死生観と高度な工芸技術を今に伝える貴重な文化遺産といえるでしょう。