歴史上の人物

ジャン=ニコラ・ウーシャール(1738〜1793)―オンシュートの英雄、ギロチンに散ったフランス将軍

ジャン=ニコラ・ウーシャール(1738〜1793)―オンシュートの英雄、ギロチンに散ったフランス将軍

軍人としての歩み

ジャン=ニコラ・ウーシャール(Jean-Nicolas Houchard)は、1738年1月24日にロレーヌ地方のフォルバックに生まれました。1755年にフランス軍へ入隊すると、長い下級士官時代を耐え抜き、1789年のフランス革命前夜にはついに大尉へと昇進を果たしています。

革命が始まるとその軍事的才能が見出され、1793年には師団将軍(少将)に昇進し、ライン軍の指揮を任されました。

オンシュートの戦いでの勝利

同年、北方軍の司令官に就任したウーシャールは、1793年9月8日のオンシュートの戦いにおいて、ヨーク公率いるイギリス・ハノーファー連合軍を撃破し、ダンケルクへの包囲網を解くという重要な勝利を収めます。この功績により、彼は一躍「救国の将軍」として称賛される存在となりました。

撤退による失脚、そして処刑

しかし運命は急転します。勝利の直後、ウーシャールは敵の追撃を行わず撤退を決断しました。ところがこの撤退が混乱の中で敗走へと発展してしまい、これが彼の命取りとなります。「敵を寛大に扱った」という疑いをかけられたウーシャールは解任され、まもなく逮捕されました。

パリに送られた彼は革命裁判所にかけられ、反逆罪の容疑で有罪を宣告されます。そして1793年11月15日、ギロチンによって処刑されたのです。オンシュートの英雄は、その栄光ある勝利からわずか2ヶ月余りで断頭台の露と消えました。革命期フランスにおける将軍たちの過酷な運命を象徴する悲劇的な最期といえるでしょう。