歴史物語

ビッグベンの名前の由来とは?2つの説をわかりやすく解説

ロンドンの国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の時計塔に吊るされた大鐘「ビッグベン」。その名前の由来については、1850年代後半に遡る2つの有力な説が存在し、いずれもイギリスの実在の人物にちなんだものとされています。

説1:公共事業大臣ベンジャミン・ホールに由来する説

一つ目の説は、19世紀前半に公共事業大臣を務めたベンジャミン・ホール(Benjamin Hall)にちなむというものです。彼は時計塔の建設工事を統括した人物であり、その功績を讃えて、名前の愛称である「ベン(Ben)」から「ビッグ・ベン」と呼ばれるようになったとされています。

説2:ボクサー・ベンジャミン・コーントに由来する説

もう一つの説は、当時絶大な人気を誇ったボクサーのベンジャミン・コーント(Benjamin Caunt)に由来するというものです。その巨体と試合での活躍ぶりから、彼自身も「ビッグ・ベン」という異名で呼ばれており、このニックネームが鐘の名称へと転用されたという説です。

時計塔と大鐘の歴史

1834年の火災で損傷を受けた議事堂の再建計画では、時計塔と有名な「ビッグベン」の鐘が当初の設計に組み込まれていました。再建の際、塔に設置される巨大な時計の製造はE・J・デント社(EJ Dent & Co)が担当し、それと共に鳴らされる鐘はホワイトチャペル鐘工場(Whitechapel Bell Foundry)によって鋳造されました。

「ビッグベン」の鐘が初めて鳴らされたのは1859年7月11日のことです。これは、時計塔と新しい議事堂の落成式からちょうど11日後にあたります。その後、第二次世界大戦中にロンドンが激しい空爆に見舞われた時期でさえ、この時計はほとんど止まることなく時を刻み続けたことで知られています。

なお補足すると、「ビッグベン」は本来、鐘そのものを指す名称です。時計塔自体は2012年、エリザベス女王の即位60周年を記念して「エリザベスタワー」と正式に命名されました。