ナチス・ドイツに立ち向かうための共同戦線は、やがて「競争」へと変わっていった。米英ソの「ビッグスリー」は、戦後世界のあり方をめぐっても激しく対立していた。帝国主義、共産主義、それとも資本主義か――最後に勝利を掴んだのはどの構想だったのか。
ドキュメンタリー『第二次世界大戦:勝利への競争(World War II: The Race to Victory)』は、第二次世界大戦中に形成された、いわゆる「ビッグスリー」と呼ばれる同盟の実像に迫る作品だ。番組では、アメリカ、イギリス、ソ連という3カ国の関係性を深く掘り下げ、ナチス・ドイツを最終的に打ち倒すまでの道のりを描き出している。
同時に本作は、3カ国の指導者たちの間に横たわるライバル関係にも光を当てる。水面下での確執、小競り合い、そして政治的な駆け引き。彼らはそれぞれ自らの意志を押し通そうと、「自分たちの条件」で戦争に勝利しようとしていたのだ。ヒトラー打倒へのレースは、いつしか「ビッグスリー」同士のレースであり、競争へと変貌していった。前線での攻防の陰で、戦後世界の運命を決める主導権を握ろうとする綱引きが静かに繰り広げられていたのである。
前線からスクリーンへ
制作陣は、戦闘の様子を捉えたアーカイブ映像や、政治家たちのプロフィール(ヨシフ・スターリン、フランクリン・ルーズベルト、ウィンストン・チャーチルといった本作の主役たちを含む)をふんだんに使用している。その背景ではナレーターが、画面に映し出される出来事を的確に解説していく。さらに番組では、この時代の貴重な、めったに公開されることのない写真を目にすることもできる。
全体を支えているのは、証人たちの証言と専門家たちの見解だ。歴史学者たちの存在はここで大きな意味を持つ。彼らは今日の視点から提示される事実にコメントし、取り上げられる出来事への理解を深める手助けをしてくれるからだ。
白黒のフィルム素材や写真が、番組に独特の雰囲気を与えている。こうした演出のおかげで視聴者は登場人物たちにぐっと接近し、個々の事実が持つ重みを実感できるのだ。緻密に編集されたアーカイブ群は、世界規模の紛争のさまざまな舞台へと私たちを誘う。歴史に詳しくない人でも、当時の各国に漂っていた空気を肌で感じ取れる、まさに傑作と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。おかげで主要な登場人物たちをより深く知り、戦況の進展に対する彼らの反応を観察することができる。
制作陣は余計な分析を避けることに成功した。全6話からなるこのシリーズは、時系列で次々と語られる歴史的な逸話や具体的な情報を求める人々に、より強く訴えかける内容となっている。
戦争の姿
特筆すべきはグラフィック挿入、とりわけ地図だ。作戦の推移を示し、ある時点で前線がおおよそどこにあったのかを把握する助けとなる。ナレーターの語りとも見事に補完し合っている。ポーランドの状況については簡潔に触れられているだけだが、本題にとって決定的に重要というわけではない。
この分野に精通した人にとって、シリーズで描かれる事実は驚きに満ちたものではないだろう。それでも、グラフィックの質と出来事のテンポの良さにはきっと満足するはずだ。また、語りの流れに合わせて選び抜かれた資料の数々も、このドキュメンタリーシリーズの大きな魅力である。それだけに、各エピソードは優れた教育教材としても十分に機能する。

国会議事堂(ライヒスターク)の上に翻るソ連の旗。
ドキュメンタリー『第二次世界大戦:勝利への競争』は、間違いなく一見の価値がある作品だ。誰にとっても無駄な時間にはならないだろう。何しろ、画面に現れるアーカイブやグラフィック素材に魅了されない人はまずいないはずだからだ。
第二次世界大戦に馴染みのない人にとっては、この恐るべき紛争の最重要な事実、登場人物、戦闘、出来事を学べる、刺激的でダイナミックな旅となるに違いない。一方、この時代の歴史愛好家にとっては、知識を新たにし、さらに体系的に整理する絶好の機会となるだろう。
提示されるテーマとナレーターの明快な語り口は、視聴者に食い入るように番組を見続けさせる力を持っている。共産主義者、資本主義者、帝国主義者のレースをここまで詳細に描いた本作は、多くの視聴者に新たな問いと考察を呼び起こすかもしれない。ナチス・ドイツを打倒するために、あの爆発的な混合は本当に必要だったのか? そして最終的に、戦後世界のビジョンとして勝利を収めたのは誰の構想だったのか?
シリーズ「Just History(ジャスト・ヒストリー)」は「Week of War(ウィーク・オブ・ウォー)」を、全6話のドキュメンタリーシリーズ「第二次世界大戦:勝利への競争」で幕開けする。初回放送は12月7日(月)午後8時50分、Polsat Viasat History HDチャンネルにて。