1995年8月、歴史に残る製品発表
1995年8月、売上高60億ドル、従業員約1万7500人を擁するマイクロソフト社は、パソコン向けの新オペレーティングシステム「Windows 95」を世界に向けて発表しました。
「すべての家庭に」――使いやすさを追求した設計思想
当時、パソコンは主にオフィスや企業で、生産活動の一環として使われるものでした。ビル・ゲイツ率いるマイクロソフトは、Windowsをできる限りユーザーフレンドリーに設計することで、パソコンをすべての家庭へ普及させるという大胆な目標を掲げていました。
その象徴となったのが「スタートメニュー」や「タスクバー」です。これらの直感的なインターフェースに加え、マルチメディア再生の標準サポートなど、PCをより身近で扱いやすいものにする機能が数多く搭載されました。
総額3億ドル規模の壮大なプロモーション戦略
Windows 95の宣伝には約3億ドルもの費用が投じられました。中心となった広告キャンペーンでは、ローリング・ストーンズの名曲「Start Me Up」(スタートボタンにかけて選曲されたと言われています)が起用され、当時の報道によれば、マイクロソフトはこのためにストーンズへ800万〜1400万ドルを支払ったとされています。
さらに、人気ドラマ『フレンズ』で知られるジェニファー・アニストンとマシュー・ペリーも新製品のプロモーションに参加し、話題を一層盛り上げました。
消費者を包み込んだ熱狂と、店頭に続く長い行列
予想どおり、「革命的」と謳われた新製品の登場後、世界中で消費者の熱狂が巻き起こりました。真夜中から店頭に並ぶ買い物客の姿も珍しくなく、新しいWindowsを少しでも早く手に入れようと、店舗の入り口には何時間も続く長い行列ができたのです。


