ギリシャ・レスボス島のミティレーネ城(中世城塞)は、同市を代表する最も象徴的な歴史的建造物です。このたび、その地形に関する新たな考古学的知見が明らかになりました。これは「ミティレーネ下城の活用と観光振興」プロジェクトの一環として実施された調査によるもので、北エーゲ地方が推進するNSRF 2014〜2020年度「持続可能な都市再生」欧州共同融資プログラムによって財源が賄われています。
レスボス島最古のオスマン浴場
文化スポーツ省の発表によると、中世の海上要塞の修復や自転車道・歩行者道の整備、さらに小規模なオスマン時代の住居を文化的スペースへ改修する工事が進められているカト・カストロ(下城)地区で、オスマン帝国時代の噴水台座の整備作業に伴い、中世の城壁に接する形で16世紀のオスマン浴場(ハンマーム)が出土しました。
これはレスボス島でこれまでに発見された最古の浴場であり、高温室・温室・冷水室のヴォールト天井を持つ空間と、床下暖房装置であるヒポコースト(煙道式床暖房)が良好な状態で保存されています。
初期ビザンティン時代の大理石門
アテネ・マケドニア通信の報道によると、文化スポーツ省は、記念物を保護しながら訪問者に公開するため、浴場の西側区域を調査しました。その結果、浴場の西壁が載る堅固な壁の一部が確認されたほか、出土品の分析から初期ビザンティン時代に遡るとみられる大理石製の入口門も発見されました。
この門は全高3.20メートル、幅2.05メートル、奥行き2.00メートル。地元産の灰白色大理石の板材9枚をモルタルで組み立てて造られています。まぐさ(額)には木製の扉が蝶番で取り付けられていたことを示す穴が残っており、壁柱は帯状装飾と凹面の波状文様で飾られ、まぐさには湾曲したコーニスが施されています。敷居にも水平の浮き彫りによる湾曲した帯文様が確認できます。また内部には、浴場複合施設の中心となる温室の床を支える粗い壁の一部が保存されていました。
門を露出させるために取り除いた盛土からは、浴場の高温部に近かったことに起因する焼却層や灰の層が主に検出されました。そこからはビザンティン時代に典型的な無釉の実用陶器や施釉陶器が出土したほか、敷居付近では6〜7世紀の青銅貨幣(フォリス)も見つかっています。
都市の歴史を塗り替える発見
ミティレーネ城においてビザンティン時代の遺構としては、アクロピュルゴス(内城)の東壁、北東城壁のビザンティン門、貯水槽への入口しか現存していません。そのため、今回新たに発見された大理石門は、当時の城塞の地形や防御建築の解明だけでなく、ミティレーネ市の歴史全体にとっても特筆すべき重要性を持つ発見といえます。
文化スポーツ省は、この初期ビザンティン門が、これまで考古学的に確認されてこなかったビザンティン集落「メラヌディオ」と関連している可能性があると結論づけています。メラヌディオは、多くの研究者によってミティレーネ下城周辺に位置すると考えられている集落です。