歴史物語

忘れ去られた宝庫――国立考古学博物館の「古代ヨーロッパ」コレクション

展示室の陰で眠る貴重な収蔵品

青銅器時代のデンマークの剣、先史時代のフランスの洞窟絵画に関する資料、ハンガリー出土のローマ時代の遺物――これらはすべて、ライデンの国立考古学博物館(オランダ国立古代博物館)が所蔵する「古代ヨーロッパ」コレクションの一部です。長らく展示の舞台裏に眠り、ほとんど忘れ去られてきたこの貴重な収蔵品群について、キュレーターのルク・アムクレウツ(Luc Amkreutz)氏がその収集の歴史を調査しています。

ヨーロッパ各地の文物を網羅するコレクション

このコレクションには、北欧の青銅器時代の武具から、旧石器時代の洞窟芸術に関連する資料、さらに中央ヨーロッパのローマ遺跡からの出土品まで、幅広い時代と地域の文物が含まれています。19世紀から20世紀にかけて、交換、寄贈、購入といったさまざまな経緯で集められたこれらの収蔵品は、当時の国際的な学術交流や考古学の発展の様子を今に伝える貴重な証言となっています。

収集史の解明という挑戦

アムクレウツ氏の調査は、個々の遺物の来歴をたどるだけでなく、なぜオランダの博物館が国外の古代遺物を収集するに至ったのか、その背景にあった当時の考古学界の動向や学者たちのネットワークをも明らかにしようとしています。忘れ去られたコレクションの再評価は、博物館の収蔵品に新たな光を当てる試みとして、専門家のみならず一般の訪問者からも注目を集めています。