123年分の政党史を一冊に凝縮
『ギリシャ議会政党歴史辞典 1844-1967』は、ギリシャに登場した政党の歴史を123年間にわたって案内してくれる一冊だ。ギリシャ議会財団と国家研究財団の後援のもとで刊行された全422ページの本書には、150を超える政党および議会会派に関するデータが収められており、ギリシャの政党史を深く研究するための格好の入り口となっている。
本書は、読者がすでに知っている出来事を思い出させ、頭の中で曖昧になっていた情報を整理してくれる。それ以上に価値があるのは、通常なら散在していて容易には集められない知識を、体系的に収集・分類して提示している点だろう。
「外国派」政党と教会問題――国家の方向性をめぐる対立
辞典は、特定の時期における「外国」政党(イギリス派・フランス派・ロシア派)の詳細な解説から始まる。ここで読者は、教会問題をめぐるギリシャ社会の「最初の分裂」に立ち会うことになる。イギリス派は、教会がコンスタンディヌーポリ総主教庁ではなく国家に従属すべきだと主張した。ここから、新生ギリシャ国家が西欧を向くのか東方を向くのか、近代性と伝統のどちらを特徴とするのかをめぐる思想的・文化的な対立が幕を開けたのである。
また、1844年の準普通選挙(男子選挙権)の導入、1909年の政党制度改革、1923年の玉による投票から投票用紙への切り替え、そして1956年の女性参政権付与も、この旅における重要な里程標となっている。
個人中心の政党から「イデオロギー的」組織へ
辞典のページを繰ると、指導者個人を純粋に中心とする政党から、より「イデオロギー的」な組織形態への時間的転換にも気づくだろう。特に初期には20以上もの政党が指導者の名前をそのまま党名としていたのは偶然ではない。指導者の存在感があまりに強く、政治的ライバルの名前を党名に冠した会派まで誕生したことにも注目したい(1926年の「反ヴェニゼロス諸派連合」)。純粋な個人政党としては、1951年のゲオルギオス・パパンドレウ党が最後となった。
現代主要政党の「祖先」たち
今日の主要政党につながる系譜も、きわめて詳細に紹介されている。国民急進連合(ERE、1956-1974)、中道連合(1961-1967)、統一民主左翼(EDA、1951-1967)は辞典の中で大きな比重を占めており、読者はギリシャにとって困難な時代であったこの10年の歴史的背景、党派的帰属、決定的な役割を果たした人物たちについて、体系的な知識を得ることができる。
綱領を持った初の政党と、奇妙な名前の会派たち
近代主義党(1872-1898)の項目を読むと、それまでの政党として初めて確固たる原則と政権構想を備え、「宣言の原則」を確立した存在であったことがわかる。同時に、現代の私たちには奇異に映る名前を持つ短命な政党・会派も次々と「発見」できる。たとえば「日本党」(1906-1908)は、1906年から1908年にかけて活動した7人の無所属議員による会派で、議会内で仕掛ける奇襲的手法にちなんでこの名が付けられた。
43人の研究者が描く、政党と政治勢力の進化
総じて言えるのは、この歴史辞典の作成に携わった43人の研究者が、数十年にわたる政党のみならず政治勢力全体の進化を見事に描き出しているということだ。研究者・専門家はもちろん、一般読者にとっても、1967年までのギリシャ政治史についての完全かつ包括的な知識を得る絶好の機会となる。1974年以降の時期へとプロジェクトが続けられることを期待したい。
*筆者のペトロス・イオアニディスはaboutpeople所属の政治アナリスト