
ミロのヴィーナスに代表されるように、古代ギリシャの女性像が見せる優雅な髪型には、当時の人々の美意識が色濃く反映されています。
髪は女性の魅力の象徴
古代ギリシャの女性たちは容姿の手入れにとても気を配り、とりわけ髪には強いこだわりを持っていました。髪は女性らしさと魅力の象徴であり、時代を問わず頼りになる「魅了の武器」だったのです。
当時の文献資料に加え、数多く残された絵画や彫刻のおかげで、私たちは流行していた髪型の一端を知ることができます。
基本は長い髪にリボンやティアラで装飾
スタイルの基本となっていたのは、長く伸ばした髪をリボンやティアラ(冠)、ヘッドバンド状の輪で飾るというものでした。シンプルな長髪をより美しく見せるために、これらの装飾品が重要な役割を果たしていました。
定番だったのはまとめ髪
古代ギリシャの女性たちが特に好んだのはまとめ髪(アップスタイル)です。頭の後ろで髪を柔らかいお団子(シニヨン)にまとめ、ところどころに束を垂らして、あえてゆるやかな崩し感を演出するスタイルが人気を集めました。ミロのヴィーナスの髪にも、こうした傾向がよく表れています。
つややかな黒髪を保つための努力
ギリシャの淑女たちの髪は、いつも艶やかでしなやかに保たれていました。しかし、歳月とともに白髪が目立ち始めると、彼女たちは染料に頼るようになります。
ただし、当時の染料には健康に有害な成分が含まれていることも少なくなく、美容は常に危険と隣り合わせでした。色味としては暗色系(黒っぽい色)が特に好まれたといわれています。
まとめ
古代ギリシャにおいて髪とは、単なる見た目の一部ではなく、女性の魅力と社会全体の美意識を映す大切な存在でした。ヴィーナスの彫刻に見られる優雅な髪型からは、現代にも通じる美容へのこだわりを読み取ることができます。