中世の家族生活の一場面
中世の食事の基本とは?
中世の人々の栄養の基盤は、どのようなものだったのでしょうか。結論から言えば、古代と比べて劇的な変化はほとんどありませんでした。中世の食卓に並ぶ食材は、おおむね前の時代と同じだったのです。
つまり、庶民の日常の食事は穀物・豆類・野菜が中心でした。パンや粥の形で食べられる穀物がカロリーの大半を占め、タンパク質は豆類で補っていました。甘味としては蜂蜜がほぼ唯一のもので、砂糖は当時まだヨーロッパには普及していなかったため、蜂蜜は貴重なデザート兼調味料として重宝されていました。
祝日のごちそうは肉料理
一方、宗教的な祝祭日には肉料理が食卓を飾りました。特に鶏肉や豚肉が好まれました。豚は飼育が容易で無駄なく利用できることから庶民にも親しまれましたが、こうした肉料理が日常的に食べられたのは、主に富裕層だけの特権でした。
また、キリスト教社会では断食や精進の日が年間を通じて多く定められていたため、肉の代わりに魚が食べられることも少なくありませんでした。川や海の魚、ニシンの塩漬けなどが重要なタンパク源となっていたのです。
新大陸の発見がもたらした食の革命
その後、新大陸(アメリカ大陸)の発見は西洋の美食文化を永遠に変えることになりました。それまでヨーロッパ人は知らなかったジャガイモ、トマト、チョコレート、バナナといった新しい食材が導入され、欧州の食卓は一気に豊かで多彩なものへと進化していったのです。