
レオナルド・ダ・ヴィンチといえば、『モナ・リザ』や『最後の晩餐』を生み出した芸術家であり、飛行装置や軍事機械の設計図を描いた科学者として広く知られています。しかし、その数千に及ぶプロジェクトの中には、意外にも「パスタ製造機」のアイデアが含まれていたのです。
無限の情熱を持った万能天才
ダ・ヴィンチは、まさに尽きることのない好奇心と情熱、そして類まれな才能の持ち主でした。絵画制作の合間にも、解剖学、工学、建築、水理学など多岐にわたる分野で研究を重ねています。そして驚くべきことに、その関心は料理の世界にまで及んでいたのです。実際、彼の周辺には厨房に関連するメモや考察も残されており、食への興味本位ではない真剣な取り組みがうかがえます。
『コーデックス・アトランティクス』が証明する発明
その証拠となるのが、レオナルドの主要な手稿の一つである『コーデックス・アトランティクス』です。この大冊の手稿の中で、彼自身がある巨大な機械を考案したと語っています。それが作り出すのは、彼が自ら「食用の紐(糸)」と呼んだもの――つまり、私たちが今日パスタと呼ぶ食品でした。
小麦の生地を一定の形状へと押し出して麺状にするという仕組みは、現在のパスタマシンとほぼ同じ原理であり、500年以上も前にその概念が存在していたことになります。
現代の家庭用パスタマシンの祖先
言い換えれば、この発明はルネサンス期における現代の家庭用パスタ製造マシンの祖先だと言えるでしょう。芸術から科学設計まで、あらゆる分野で才能を発揮した万能人・ダ・ヴィンチならではの発想ですが、美食の国イタリアの象徴であるパスタにまで着想を巡らせていたとは、まさに驚きです。天才の好奇心がどこまでも自由であったことを物語る、興味深いエピソードといえるでしょう。