美しくセッティングされた食卓
ナプキンの誕生は1500年代
ナプキンが食卓に初めて登場したのは、1500年代のことでした。
その目的は、私たちにとって今ではごく当たり前に思えるもの――食事をする人が口や手を清潔に拭くための布を、各自が持てるようにすることでした。
ナプキン以前、人々はどうしていたのか?
ここでひとつ疑問が浮かびます。ナプキンが発明される前は、いったいどうしていたのでしょうか?
答えはシンプルです。テーブルクロスや自分の衣服、雑巾のような布切れを使っていました。それらは特に気にされることなく、次から次へと人から人へと回されていたのです。
衛生面でもマナー面でも、決して理想的とは言えない光景だったことは想像に難くありません。
ルネサンス期の食文化革命
実は、ナプキンはルネサンス時代に美食の分野で導入された数多くの新機軸の一つにすぎませんでした。
この時代、調理法そのものだけでなく、食習慣や食卓での振る舞い方においても大きな変革が起こりました。
とりわけ歴史に名を残しているのが、当時の富裕層が権力と富を誇示するために催した豪華絢爛な宴会(バンケット)です。金箔をまとった料理など、贅を尽くした宴の数々は後世に語り継がれています。
芸術品と化したナプキンの折り方
こうした宴では、ナプキンの飾り方もまた非常に見応えのあるものでした。
特別な日には、単に四つ折りにするのではなく、ナプキンを動物や自然物などの形に折り上げて披露したのです。まるで小さな彫刻作品のように、食卓を華やかに彩りました。
料理人は尊敬される職業へ
16世紀に入ると、美食は「芸術」とみなされるようになり、料理人は高い敬意を払われる存在となっていきました。
これは、今日テレビなどで活躍する有名シェフが持つような、まさに celebrity 的な扱いに通じるものがあります。ルネサンスの食卓は、現代のグルメ文化の原型だったと言えるかもしれません。