
過去の食文化が今によみがえる
時代を超えて愛され続ける古典料理の世界。きのこの煮込みは、イタリア料理において古くから親しまれてきた定番の付け合わせですが、その味わいをペッレグリーノ・アルトゥージ(Pellegrino Artusi)の手法で楽しんでみませんか。
以下のレシピは、彼の名著『科学と美食の芸術(La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene)』からの引用です。1891年に出版されたこの料理書は、現在もイタリア家庭料理の基礎として高く評価されている一冊であり、当時の庶民の食生活を知る貴重な資料にもなっています。
アルトゥージのきのこの煮込みレシピ
原文には、次のように記されています。
「煮込み用には、中くらいよりやや小ぶりのきのこを選びましょう。汚れを丁寧に落として洗い、薄めにスライスします。
鍋にオリーブオイル、軽くつぶした丸ごとのニンニク数片、さらにニャクチョウ(キャットミント)の葉をひとかけ入れて火にかけます。
油がじわじわと音を立て始めたら、小麦粉はつけずにきのこを加え、塩とこしょうで味付けします。半分ほど火が通ったところで、シンプルなトマトソースを注ぎましょう。ただし、きのこは調味料をあまり吸い込まないため、味付けは控えめにするのがポイントです。」
仕上がりのコツと楽しみ方
ニンニクとハーブの香りがきのこに移り、ほんのりとしたトマトの酸味がアクセントになる、シンプルながら奥深い一品です。調味しすぎないことで、素材本来のうまみが引き立ちます。
こうして仕上げたきのこの煮込みは、肉料理やポレンタなど、さまざまなメインディッシュの付け合わせとしてぴったり。19世紀の食卓の味を、ぜひ現代のキッチンで再現してみてください。