歴史物語

ハトシェプスト女王は何を墓に持っていきましたか?愛用品から彫像まで、永遠の旅の支度

古代エジプト史上最も成功したファラオの一人として知られるハトシェプスト女王。彼女もまた、来世への旅に備えて、生前大切にしていた品々を墓に納めました。

墓に納められた愛用品の数々

ハトシェプスト女王が墓に持っていったものの中には、彼女のお気に入りの品々が含まれていました。その代表的なものがゲーム盤(セネット)と化粧品類です。

セネットは古代エジプトで広く親しまれたボードゲームで、単なる娯楽にとどまらず、来世における魂の運命を占う宗教的な意味合いも持っていました。死後の世界でも楽しめるように、あるいは来世への道程を無事に進むための守りとして、ゲーム盤が副葬されたのです。

美しさを保つための化粧品

化粧品も重要な副葬品の一つでした。古代エジプトでは、化粧は単なる身だしなみではなく、神々への敬意や魔除けといった深い意味を持つ行為でした。アイシャドウに使われたマラカイトや方鉛鉱、香油などは、来世においても自らの姿を保ち、清らかな状態で過ごすために欠かせないものでした。

数多くの彫像

さらにハトシェプスト女王は、自身の彫像を多数墓に納めました。これには大きな意味があります。古代エジプトの信仰では、肉体が滅んでも、彫像や肖像が残っていれば魂が認識できる「拠点」となり、永遠に存在し続けられると考えられていたのです。

オベリスクや神殿に立てられた巨大な像から、座像やスフィンクス型の像まで、多様な姿の彫像が作られました。これらは彼女の権威を示すと同時に、来世での永遠の生命を保証するための重要な手段だったのです。

まとめ

ハトシェプスト女王が墓に携えたのは、遊びのためのゲーム盤、美しさを保つ化粧品、そして数多くの自分の彫像でした。どれも一見すると日常的な品物ですが、すべて古代エジプト人の死生観——「死後も豊かで快適な永遠の生命を送る」という願い——に基づいた選択でした。