歴史物語

エリザベス朝時代の娯楽10選|シェイクスピアの時代、人々はどう楽しんでいた?

16世紀後半から17世紀初頭にかけてのイングランド、いわゆるエリザベス朝時代は、芸術と娯楽が華々しく花開いた黄金期でした。王侯貴族から庶民に至るまで、あらゆる階層の人々がそれぞれのスタイルで日々の生活に彩りを添えていました。ここでは、当時人気を博した代表的な娯楽を10個ご紹介します。

1. 演劇――シェイクスピアが活躍した舞台芸術

エリザベス朝時代といえば、まず思い浮かぶのが演劇の隆盛です。ウィリアム・シェイクスピアをはじめとする劇作家たちが数々の名作を生み出し、言葉の力、物語性、そして豊かな感情表現を存分に披露しました。ロンドンにはグローブ座やローズ座といった劇場が次々と建てられ、市中のあらゆる場所から大勢の観客が足を運びました。

2. 音楽とダンス

音楽はエリザベス朝文化に欠かせない要素であり、実に多様な形で親しまれていました。社交の場では優雅な舞踏が流行し、人々は華やかな衣装をまとって踊りを楽しんだといいます。宮廷での演奏会、集まりごと、街頭でのパフォーマンスまで、リュートやヴィオール、リコーダーなどの楽器による美しい調べが日常のあちこちに響き渡っていました。

3. 狩猟

上流階級にとって狩猟は最高の余興でした。とりわけ鹿狩りは貴族たちの大のお気に入りであり、ほかにも猟犬を使った兎やキツネ狩りなど、さまざまな狩りが盛んに行われていました。

4. 市と祭り

定期的に開かれる市や祭りは、日常の繰り返しから離れられる絶好の機会でした。こうした催しは娯楽と商取引、社交がひとつになった総合イベントで、屋台では食べ物や玩具、珍しい品々が売られ、放浪の楽師や大道芸人たちが賑やかな雰囲気を盛り上げました。

5. マスク(仮面劇)

マスクは、ダンス、音楽、豪華な衣装を融合させた壮麗な舞台芸術です。主に宮廷で上演され、豪華絢爛な舞台装置や観客を圧倒する特殊効果がふんだんに施されていました。

6. ベア・ベイティング(熊いじめ)

現代の感覚では到底受け入れられない娯楽として知られるのが「ベア・ベイティング」です。熊を杭につないだ状態で犬をけしかけ、その戦いを観客が楽しむという残酷な見世物で、当時は公認の興行として広く行われていました。

7. 剣術と馬上槍試合

熟練した剣術の腕前や、迫力満点の馬上槍試合(ジョスト)のトーナメントは、貴族たちに深く愛された武芸の娯楽でした。騎士や兵士たちの勇姿を競う場として、多くの観衆を熱狂させました。

8. 宮廷の宴

王室の宮廷では、趣向を凝らした料理が並ぶ宴会、音楽演奏、演劇上演など、多彩な余興が催されました。これらの行事は、王室一族や賓客をもてなすだけでなく、権威と富を誇示する重要な社交の場でもありました。

9. 大道芸

街頭では、生計を立てるためにさまざまな芸を披露する大道芸人たちが活躍していました。楽師、曲芸師、手品師、ジャグラーなどが都市の中心部や市場で群衆を惹きつけ、日々の暮らしに小さな驚きと笑いを届けていました。

10. ママーズ・プレイ(仮装劇)

ママーズ・プレイは、祝祭の季節に各地で上演される民間伝承の劇です。聖ジョージや竜、ロビン・フッドといった登場人物が登場するシンプルながらも力強い物語が演じられ、庶民の間で広く愛されていました。

まとめ

エリザベス朝時代の娯楽は、単なる気晴らしにとどまらず、社会的交流の場を提供したり、富や権力、芸術的才能を誇示したりする役割も担っていました。現代の価値観では奇異に映る習慣もありますが、それらはエリザベス朝時代の豊かな文化的タペストリーを映し出す鏡であり、当時の人々の暮らしや好みを知るうえで貴重な手がかりとなっています。