歴史物語

『縞模様のパジャマの少年』ブルーノとグレーテルは収容所に最初どう反応したのか?

小説・映画『縞模様のパジャマの少年』(原題:The Boy in the Striped Pajamas)には、主人公ブルーノと、その姉であるグレーテルという二人のきょうだいが登場します。物語の舞台は、ナチス・ドイツ時代のポーランド。父親の赴任に伴い、一家はアウシュヴィッツ強制収容所(作中では「アウト=ウィズ」と呼ばれます)のすぐ近くにある新しい家へと引っ越します。

ブルーノの反応:戸惑いと孤独

8歳のブルーノは、ベルリンを離れること自体に強く抵抗し、親友たちとの別れを嘆きます。新しい家に着いてからも、窓から見える「縞模様のパジャマ」を着た人々の正体が分からず、漠然とした不安と疑問を抱えたまま過ごします。彼は収容所の本当の意味や、そこで起きている悲劇を理解できないまま、無邪気な視点で周囲を観察し続けます。やがて有刺鉄線のフェンス越しに、同じ年頃のユダヤ人少年シュムエルと出会い、秘密の友情を育んでいくのです。

グレーテルの反応:不満からイデオロギーへの傾倒へ

12歳の姉グレーテルも、当初は引っ越しに不満を示し、ベルリンに置いてきた人形のコレクションを惜しみます。しかし、家庭教師リスト氏やコトラー中尉の影響を受けるうちに、次第にナチズムのプロパガンダへと傾倒していきます。部屋には宣伝ポスターが貼られ、かつてフェンスの向こう側を「農場」と呼び、そこに住む人々に好奇心を抱いていた頃の姿は消えてしまいます。

二人の対比が浮かび上がるもの

同じ環境に置かれながら、無垢な感性を保ち続けるブルーノと、時代のイデオロギーに呑まれていくグレーテル。この対比こそが、本作が伝えようとするメッセージの核心であり、多くの読者や観客の心を打つ理由となっています。