ローマ・カトリック教会と決別した二人の男
16世紀の宗教改革において、ローマ・カトリック教会から決別し、キリスト教の歴史を大きく変えた人物として、とりわけ重要なのがマルティン・ルター(Martin Luther)とジャン・カルヴァン(Jean Calvin)の二人です。
マルティン・ルター――宗教改革の口火を切った男
ドイツの神学者にして宗教改革者であるマルティン・ルターは、16世紀にプロテスタント宗教改革の先鞭をつけました。1517年、ヴィッテンベルク城教会の扉に「95カ条の提題」を掲示したことで広く知られており、カトリック教会のさまざまな慣習や教え、とりわけ免罪符の販売と教皇の権威を痛烈に批判しました。
ルターは、救いは善行や免罪符によってではなく、「信仰のみ」によって得られるという「信仰義認」の教えを説きました。この思想は当時のカトリック教会の権威に真っ向から対立するものであり、ヨーロッパ全土に宗教的・社会的な大変革をもたらすこととなりました。
ジャン・カルヴァン――予定説を説いた改革者
フランス出身の神学者・宗教改革者であるジャン・カルヴァンは、「カルヴァン主義」と呼ばれる一連のキリスト教神学体系を打ち立てました。彼が中心的に説いたのは「予定説」であり、人は人間としての功績や行いとは無関係に、神があらかじめ救われる者と滅びる者を定めている、という考え方です。
さらにカルヴァンは、聖書を信仰の唯一の拠り所とすること、厳格な教会規律、そして信徒一人ひとりが守るべき厳しい道徳規範の重要性を強調しました。スイスのジュネーブを拠点に活動し、その思想はフランスのユグノーやスコットランドの長老派など、世界各地の改革派教会へと広がっていきました。
まとめ
ルターとカルヴァンは、それぞれ異なるアプローチからカトリック教会との決別を選びましたが、両者とも「聖書こそが信仰の基準である」という原則を共有していました。彼らの活動はプロテスタント諸教会の誕生につながり、今日に至るまで西洋文明とキリスト教世界に深い影響を与え続けています。