セイラム魔女裁判――「自白」の本当の中身
1692年から1693年にかけてマサチューセッツ植民地で起きたセイラム魔女裁判では、魔術行使の疑いをかけられた者のうち、「魔術を実際に行ったこと」を自白した人は一人もいません。彼らが自白したのは、あくまで「悪魔と通じていた(通交していた)」という内容でした。
さらに重要なのは、こうした自白が自由意志によるものではなかったという点です。過酷な尋問、脅し、監獄での劣悪な環境といった強制的な状況下で引き出されたものであり、今日の基準から見れば信頼性のある自白とは到底言えないものでした。
裁判の規模と犠牲者
セイラム魔女裁判では、およそ200人が魔術使用の容疑で告発されました。最終的に19人が絞首刑に処され、無実を主張して黙秘を貫いたジャイルズ・コーリーは石積みの刑で命を落とすなど、獄中で亡くなった者も少なくありませんでした。
なぜ多くの人が「自白」したのか
当時のセイラムでは皮肉なことに、罪を認めて悔い改めを示した者は処刑を免れる傾向があり、逆に無実を主張し続けた者ほど厳しく裁かれる傾向がありました。この不条理な構造こそが、虚偽の自白を次々と生み出す一因となったと考えられています。つまりセイラムにおける「自白」は、真実の告白ではなく、生き延びるための手段だったのです。