ムガル帝国の宮廷を訪れたイングランドの貿易商は、トマス・ロー(Thomas Roe)です。彼はイングランドの外交官にして探検家であり、1615年から1619年にかけてムガル帝国への大使として派遣されました。
初代イングランド駐ムガル帝国大使
ローは、ムガル帝国の宮廷を公式に訪れた最初のイングランド大使として歴史に名を刻んでいます。彼の主な使命は、イングランドとムガル帝国との間に貿易関係を確立することでした。当時、東インド会社はアジアでの貿易拠点の拡大を強く望んでおり、その実現のためにローが選ばれたのです。
ジャハーンギール帝との条約締結
ローの最大の功績は、ムガル皇帝ジャハーンギールとの交渉に成功し、条約を締結したことです。この条約により、イングランド人はムガル帝国内での貿易を行う許可を得ることになりました。これは、後のイングランドによるインド進出の重要な足がかりとなった出来事です。
貴重な記録を残した旅行記
さらに、ローはムガル帝国での旅や滞在について詳細な記録を書き残しました。彼の日誌や報告書は、17世紀初頭のムガル帝国の政治、社会、文化を知るうえで非常に貴重な一次資料となっており、今日の歴史研究においても重要な情報源とされています。