インドの伝統思想において、ヴェーダは最高の権威を持つ聖典群とされ、その数は一般に「四つ」とされています。しかし古来より、「第五のヴェーダ(パンチャマ・ヴェーダ)」という言葉も使われてきました。この記事では、第五のヴェーダが何を指すのか、その意味や背景をわかりやすく解説します。
第五のヴェーダとは何か?
第五のヴェーダとして最も広く知られているのは、プラーナ(プラーナ文献)です。プラーナとは、世界の創造と滅亡、神々や英雄の伝説、王朝の歴史などを記した古代インドの文献群であり、宗教的・文化的に極めて重要な位置を占めています。難解なヴェーダの教えを、物語を通じて民衆に広く伝える役割を果たしてきたことから、「第五のヴェーダ」と称されるようになりました。
そもそも四つのヴェーダとは?
第五のヴェーダを正しく理解するために、まず本来の四つのヴェーダを押さえておきましょう。
- リグ・ヴェーダ —— 最古の賛歌集
- ヤジュル・ヴェーダ —— 祭式で用いられる祈願文
- サーマ・ヴェーダ —— 歌唱のための旋律集
- アタルヴァ・ヴェーダ —— 呪文や祈祷文の集成
プラーナ以外に「第五のヴェーダ」と呼ばれるもの
文脈によっては、以下のようなものが第五のヴェーダと呼ばれることもあります。
- ナーティヤ・シャーストラ(演劇論) —— 戯曲・舞踊・音楽の理論書で、自らを第五のヴェーダであると述べています。
- マハーバーラタ —— インド最大の叙事詩であり、一部の伝統では第五のヴェーダとみなされます。
このように「第五のヴェーダ」は特定の一文献のみを指す言葉ではなく、ヴェーダに次ぐ権威を持つ聖典や学芸全般に対して用いられる尊称なのです。
まとめ
第五のヴェーダ(パンチャマ・ヴェーダ)とは、一般的にプラーナ文献を指します。ただし、演劇論のナーティヤ・シャーストラや叙事詩マハーバーラタが第五のヴェーダと呼ばれる場合もあるため、文脈に応じて理解することが大切です。
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