いいえ、ジョン・カボットが中国を訪問し、フビライ・ハンと友好関係を築いたという事実はありません。この二人は、生きた時代も活動した地域もまったく異なる人物であり、直接関わりを持つことは歴史的にあり得なかったのです。
ジョン・カボットとはどんな人物?
ジョン・カボット(1450年頃〜1499年頃)は、イタリア出身の探検家です。15世紀後半、イングランド王ヘンリー7世の支援を受けて北米大陸へ向けた航海を2度行いました。特に1497年の航海では、現在のカナダ・ニューファンドランド島周辺の北米東海岸に到達し、コロンブスに続いてヨーロッパ人として北米大陸に足を踏み入れた先駆者の一人とされています。
フビライ・ハンとはどんな人物?
一方のフビライ・ハン(1215年〜1294年)は、モンゴル帝国の第5代皇帝にして、中国に元王朝を樹立した君主です。13世紀に広大な帝国を統治し、イタリアの旅行家マルコ・ポーロがその宮廷を訪れたことでも広く知られています。
なぜこのような誤解が生まれるのか
この混同は、カボットの航海の目的に由来すると考えられます。彼は当初、「大西洋を西回りに進めばアジアや中国に達できる」と考え、東方との交易路の開拓を目指して出航しました。しかし、実際にたどり着いたのは未知の大陸、すなわち北米だったのです。
つまり、カボットが目指したのは中国との接触でしたが、それは実現せず、しかもフビライ・ハンが死去したのは1294年。カボットの航海はそれから約200年後の出来事であるため、両者が出会う可能性は最初から存在しなかったのです。