アジアの歴史

第一次世界大戦で利益を得た国はどこ?領土を拡大した5つの「勝者」を徹底解説

第一次世界大戦(1914年~1918年)は、世界中に未曾有の被害をもたらした悲劇的な戦争でした。しかし一方で、戦後処理や領土再編の過程で、むしろ大きな利益を手にした国も存在します。ヴェルサイユ条約や国際連盟の委任統治制度などを通じて、領土や国際的地位を大きく拡大した主な国々を、ここで詳しく見ていきましょう。

アメリカ合衆国

最大の受益者といえるのがアメリカです。参戦時期が遅かったこともあり、本土に戦火が及ぶことなく戦争を終えました。ヨーロッパ諸国への武器・物資の供給で経済は急成長し、戦後には世界最大の債権国へと転身します。軍事的にも政治的にも存在感を高め、それまでの孤立主義的な立場から、世界の指導的国の一つとして台頭するきっかけとなりました。また、戦争を通じて国民の国家意識や一体感も大きく強まりました。

フランス

フランスは、1870年~71年の普仏戦争でドイツ(プロイセン)に割譲されていたアルザス=ロレーヌ地方を見事に回復しました。これにより重要な工業地帯と鉄鉱石資源を再び手に入れています。さらに、戦後に成立した国際連盟の委任統治領として中東のシリアとレバノンの支配権を獲得し、植民地帝国としての影響力を一層強化しました。

イギリス

イギリスも戦勝国として大幅な領土拡大を実現しました。ドイツから東アフリカ、南西アフリカ(ナミビア)、ニューギニアなどの海外植民地を奪い取り、その大部分を自国領または自治領の管理下に置きました。加えて、オスマン帝国の崩壊に伴い、メソポタミア(現在のイラク)とパレスチナを国際連盟の委任統治領として獲得。中東における石油資源への足がかりを築き、大英帝国の版図は史上最大の規模に達することになります。

イタリア

連合国側で参戦した見返りとして、イタリアは北東部の国境線を大きく拡張しました。オーストリア=ハンガリー帝国から南チロル(アルト・アディジェ)とトリエステ周辺、イストリア半島を獲得し、多民族が暮らす地域への影響力を強めました。また、エーゲ海のドデカネス諸島の支配権を確保するとともに、ダルマチア沿岸の一部(ザダルなど)も手に入れています。

日本

日本も日英同盟に基づき連合国側で参戦し、大きな実利を得ました。ドイツが中国に持っていた山東省(膠州湾・青島)の利権を獲得したほか、赤道以北の南洋群島——マリアナ諸島、カロリン諸島、マーシャル諸島など旧ドイツ領太平洋諸島を占領し、のちに国際連盟の委任統治領として正式に統治権を認められます。これにより日本は太平洋における勢力圏を大きく広げ、列強としての地位を不動のものにしていきました。

まとめ

第一次世界大戦の戦後処理では、敗戦国から勝戦国へと領土や利権が移譲され、世界の地図は大きく塗り替えられました。アメリカは経済大国への道を歩み、欧州列強は植民地を拡大。そして日本も太平洋へ進出する契機をつかみました。しかし、こうした「勝者の論理」による処理は、敗戦国の屈辱や新興国の不満を生み、やがて次の世界大戦へとつながっていくことになります。