1990年8月、イラクによるクウェート侵攻をきっかけに勃発した湾岸戦争(ペルシャ湾岸戦争)では、国連安保理の決議に基づき、世界各国からなる大規模な多国籍軍が結成されました。アメリカ合衆国を中心に、中東・欧州・アジア・アフリカなど幅広い地域の国々が兵力や物資を提供し、クウェート解放作戦「砂漠の嵐作戦」に参加しました。
ここでは、多国籍軍に部隊を派遣した主な国々を地域別にご紹介します。
多国籍軍に参加した国の一覧
中東・アラブ諸国
- サウジアラビア
- エジプト
- シリア
- クウェート(亡命政府軍)
- バーレーン
- カタール
- オマーン
- アラブ首長国連邦
- トルコ
- モロッコ
ヨーロッパ諸国
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- イタリア
- スペイン
- オランダ
- デンマーク
- ギリシャ
- ポーランド
- チェコスロバキア
- ハンガリー
アジア・オセアニア諸国
- 韓国
- パキスタン
- バングラデシュ
- オーストラリア
北米・南米諸国
- アメリカ合衆国
- カナダ
- アルゼンチン
アフリカ諸国
- セネガル
- ニジェール
- シエラレオネ
主な参战国の役割
アメリカ合衆国
多国籍軍の中核を担い、約70万人規模という最大の兵力を投入しました。陸・海・空のすべてで主力となり、作戦全体の指揮も執りました。
イギリス・フランス
イギリスは約5万人規模の部隊を派遣し、フランスも精鋭部隊を投入。両国とも地上戦と空爆の双方に参加しました。
中東諸国
サウジアラビア、エジプト、シリアといったアラブ諸国の参加は、作戦にイスラム圏からの正当性を与えるうえで極めて重要でした。特にサウジアラビアは自国領土を多国籍軍の前線基地として提供しています。
派兵せず資金で支援した国々
一方、憲法上の制約などにより直接の派兵を見送りながら、多額の資金援助で戦争を支えた国もあります。
- 日本:約130億ドル(当時およそ1兆8000億円)もの資金を拠出しましたが、憲法第9条の制約から人的貢献はできませんでした。この「金だけの貢献」という経験が、その後のPKO協力法成立のきっかけとなったとされています。
- ドイツ:地上戦闘部隊の派遣は見送ったものの、資金援助に加え、トルコ防衛のための航空機配備や地中海への艦艇派遣など、限定的な軍事的貢献を行いました。
まとめ
湾岸戦争の多国籍軍には、上記のように31カ国が部隊を派遣しました。冷戦終結直後の国際協力の象徴ともいえるこの連合は、国連の承認のもとで実施された大規模な軍事作戦として、現代史に重要な足跡を残しています。