北米の歴史

南アフリカ最大の独立教会「ZCC」はいつ・どのようにして設立されたのか?

ZCC(ザイオン・クリスチャン・チャーチ)とは

ST.エンゲナス・ザイオン・クリスチャン・チャーチ(ZCC)は、南アフリカ共和国リンポポ州モリアに本部を置くキリスト教教会です。約1,300万人の信徒を擁し、南アフリカ最大のアフリカ独立教会(African Initiated Church)として知られています。同教会は1919年、エンゲナス・レクガニャーネ(Engenas Lekganyane)によって設立されました。

創設者エンゲナス・レクガニャーネの生い立ち

エンゲナス・レドゥワバ・レクガニャーネは1885年、南アフリカのリンポポ州に生まれました。父はトロウ、母はラハブ・セクゴポ・レクガニャーネといいます。「エンゲナス」という名前は、使徒ペテロによって癒された聖書の人物アイネア(使徒行伝9章33~34節)にちなんで付けられたとされています。

教会設立のきっかけ

レクガニャーネは若き日、ヨハネスブルグの金鉱山で出稼ぎ労働者として働いていました。1919年、彼は病に倒れ、故郷であるザイオン・シティ・モリアへ帰郷します。その地で神から「教会を始めるように」と告げる幻を見たことが、ZCC設立の直接的なきっかけとなりました。以降、レクガニャーネは説教と病者の癒しの活動を展開し、瞬く間に多くの支持者を集めました。1931年にはロザリア・ントロコと結婚し、彼女は後に教会初の女性指導者となりました。

急成長を遂げた背景

ZCCは20世紀前半に目覚ましい成長を遂げました。特に、アパルトヘイト(人種隔離政策)体制下で選挙権を奪われ、深く抑圧されていた黒人南アフリカ人の間で絶大な支持を獲得しました。教会は人々にコミュニティへの帰属意識と居場所をもたらすとともに、精神的・感情的な支えとなる存在だったのです。レクガニャーネは1948年にこの世を去りましたが、教会はバーナバス・レクガニャーネ主教やベネディクト・レクガニャーネ主教ら後継者たちの指導の下で、さらなる発展を続けました。

現代におけるZCC

今日のZCCは数百万人規模の信徒を抱え、南アフリカ国内のみならず、ボツワナ、レソト、ナミビア、ザンビア、ジンバブエといったアフリカ諸国へと広がっています。さらに、イギリスやアメリカ合衆国でも急速に会員数を伸ばしつつあります。同教会は、癒しと悪霊からの解放(デリバランス)を重視するとともに、伝統的なアフリカの文化や習慣を大切にする姿勢でも広く知られています。