北米の歴史

南北戦争のアメリカ兵士が運んだ装備の重さは?平均40〜60ポンドの内訳を解説

アメリカ南北戦争(1861年〜1865年)の時代、典型的な北軍・南軍の兵士は、およそ40〜60ポンド(約18〜27キログラム)もの装備を身につけて行軍していました。現代の兵士の携行量に匹敵する重さで、長時間これを背負って徒歩で移動するのは非常に過酷な負担でした。

兵士が携帯していた主な装備の内訳

武器と弾薬

装備の中核となったのは、スプリングフィールドM1861やエンフィールド銃などのライフルマスケット(施条銃)です。銃本体だけで約9ポンド(約4キログラム)あり、これに加えて数十発分の弾薬を収めたカートリッジボックス、銃剣、パーカッションキャップ用の小箱などを携帯しました。

食料と水

数日分の配給食は、帆布製の肩掛け袋「ハバーサック」に入れて運びました。中身は主にハードタック(堅焼きビスケット)、塩漬け豚肉、コーヒー豆などで、保存性の高い食品が中心でした。飲み水はブリキ製の水筒に入れて持ち歩き、行軍中の生命線となりました。

衣類と寝具

背負い袋「ナップサック」には、予備のシャツや靴下、上着、毛布、簡易テントとして使えるシェルター・ハーフ、雨具、洗面用具、簡単な調理器具などが詰め込まれました。特に冬季は防寒具が増えるため、荷物は一層重くなりました。

重すぎた荷物――行軍中に捨てられる装備

長距離の行軍が続くと、多くの兵士は疲労を軽減するため、上着や毛布、予備の靴などを「不要品」として次々と道端に捨てていきました。出発前には将校による装備点検が行われても、実際の行軍では荷物が目減りするのが常だったといわれています。

つまり40〜60ポンドという数字はあくまで出発時の基準であり、実際に運ばれた重量は天候、季節、作戦の性質によって大きく変動しました。それでも、この重装備こそが南北戦争の兵士たちの日々を象徴しており、当時の歩兵戦の過酷さを物語っています。