二つの社会改革運動に共通する本質
南北戦争前の奴隷制廃止(アボリショニスト)運動と、19世紀末から20世紀初頭にかけて展開された進歩主義(プログレッシブ)運動は、時代こそ異なるものの、政治的・社会的な活動を通じて社会変革を実現しようとしたという点で深く共通しています。
奴隷制廃止運動の特徴
奴隷制廃止運動は、アメリカ合衆国における奴隷制度の撤廃を目指した社会運動です。演説やパンフレットの発行、政治キャンペーンの組織化など、多様な手段を駆使して世論を喚起し、目標の達成を図りました。フレデリック・ダグラスやウィリアム・ロloyd・ガリソンといった活動家たちが先頭に立ち、奴隷制の非人道性を広く国民に訴えかけたことが大きな特徴です。
進歩主義運動の特徴
一方、進歩主義運動は、貧困、政治腐敗、大企業の過剰な権力など、当時のアメリカ社会が抱える幅広い問題への対処を目指した社会改革運動です。立法による規制、行政改革、市民への啓蒙教育など、制度的なアプローチを中心に活動を展開した点が際立っています。
両運動がもたらした歴史的成果
両運動とも、アメリカ社会に重大な変革をもたらすことに成功しました。奴隷制廃止運動は南北戦争を経て、1865年の憲法修正第13条批准による奴隷制度の廃止へとつながりました。また、進歩主義運動は連邦所得税の導入、シャーマン反トラスト法(独占禁止法)、純正食品医薬品法など、数多くの重要な改革を実現させています。
このように、両運動は「不正な社会構造に対して、市民が組織的に立ち向かい、法と世論を動かして変革を成し遂げる」という、アメリカにおける社会改革の基本的なあり方を体現しているのです。