北米の歴史

アメリカの1セント硬貨(ペニー)はいつから純銅の製造をやめたのか?

アメリカの1セント硬貨、通称「ペニー」は、長い間銅を主成分とした硬貨として親しまれてきました。しかし、その姿は1982年4月12日を境に大きく変わることになりました。

1982年4月12日、素材が切り替わった日

それまでのペニーは、ほぼ100%に近い銅で作られていました。しかし1982年4月12日、政府は硬貨の素材構成を変更し、97.5%が亜鉛、2.5%が銅という新しい組成の硬貨の製造へと移行しました。

なぜ素材の変更が必要だったのか?

この変更の主な理由は、銅の価格高騰です。1970年代から80年代にかけて銅の市場価格が上昇し続けた結果、1セント硬貨を作るための金属のコストが、硬貨自体の額面価格を上回ってしまう事態に陥りました。つまり、「作れば作るほど損をする」という矛盾した状況が生まれていたのです。

そこで政府は、安価な亜鉛を芯材とし、その表面に薄い銅メッキを施した新しい硬貨を採用しました。これにより、見た目は従来の銅色を保ちながら、製造コストを大幅に抑えることに成功しました。

1982年は過渡期だった

興味深いことに、1982年には旧来の銅主体の硬貨と、新しく亜鉛ベースの硬貨の両方が製造されました。そのため、同じ1982年の硬貨でも、実際には異なる素材で作られているものが存在します。

両者を見分ける方法の一つが重さです。従来型の銅製ペニーは約3.11gであるのに対し、亜鉛芯の新型ペニーは約2.5gと軽くなっています。

まとめ

純銅に近い素材で作られたペニーの製造は、1982年4月12日をもって終了しました。以降のペニーは97.5%亜鉛・2.5%銅の構成となり、現在に至っています。古い銅貨をコレクションしている方にとっては、1982年以前の硬貨は銅としての価値も持つ、特別な存在といえるでしょう。