アメリカ合衆国憲法の修正案を連邦レベルで可決するには、上下両院(連邦議会)それぞれで3分の2以上の賛成投票を得る必要があります。これは憲法第5条に明記された厳格な要件であり、憲法改正が容易ではない理由の一つとなっています。
連邦議会での承認プロセス
修正案が連邦議会で承認されるためには、以下の両方の条件を満たさなければなりません。
- 下院(House of Representatives):出席して投票した議員の3分の2以上の賛成
- 上院(Senate):出席して投票した議員の3分の2以上の賛成
現在、下院は435議席、上院は100議席で構成されているため、全議員が出席・投票した場合、下院でおよそ290票、上院でおよそ67票の賛成が必要となる計算です。なお、修正案の発議方法としては、連邦議会による発議のほかに、50州中34州(3分の2)の州議会の申立てにより憲法会議を召集する方法もありますが、こちらは歴史上一度も実施されたことがありません。
州レベルでの批准プロセス
連邦議会で3分の2の賛成を得た修正案は、次の段階として各州へ送付されます。州の批准には、以下のいずれかの方法が用いられます。
- 50州のうち38州(4分の3)の州議会による承認
- または、各州で開催される州憲法会議による承認
連邦議会は、批准の期限(通常7年以内)を設定することができます。
歴史的背景と成立の難しさ
アメリカ合衆国憲法は1787年の制定以来、これまでにわずか27件の修正条項しか批准されていません。最も新しいのは1992年に批准された第27修正条項(連邦議会議員の報酬改定に関する規定)で、発議から批准まで約200年を要しました。このように、連邦レベルでの3分の2の賛成という高いハードルに加え、州レベルでの4分の3の批准という二重の関門があるため、アメリカの憲法改正は世界的に見ても非常に困難なプロセスとなっています。