北米の歴史

「進歩主義に便乗する」とはどういう意味?禁酒運動と進歩主義時代の関係を解説

「進歩主義に便乗する」とはどういう意味か

「進歩主義(プログレッシブ)に便乗する」という表現は、20世紀初頭のアメリカにおける禁酒運動が、当時大きな人気と勢いを誇っていた進歩主義時代(プログレッシブ・エラ)の潮流を利用し、その波に乗る形で成功を収めようとしたことを指しています。つまり、禁酒運動は単独で台頭したのではなく、既存の社会改革ムーブメントの推進力を借りて支持を拡大していったのです。

進歩主義時代とはどのような時代だったのか

20世紀初頭のアメリカは「進歩主義時代」と呼ばれ、社会の弊害を是正し、社会正義を実現することを目指した幅広い社会改革・政治改革が展開されていました。急速な都市化や産業化に伴う貧富の格差、劣悪な労働環境、政治の腐敗といった問題に対処するため、政府や市民が積極的に改革に取り組んだ時期です。

なぜ禁酒運動は進歩主義と結びついたのか

こうした改革の流れの中で、一部の人々はアルコールの乱用こそが社会問題の一因であると考え、飲酒の禁止こそが社会の道徳と福祉を向上させる鍵になると信じていました。当時、過度の飲酒は家庭崩壊や労働生産性の低下、暴力犯罪などと結びつけて語られることが多く、禁酒は社会改良運動の重要な一環として位置づけられていたのです。

このように禁酒運動は、進歩主義的な改革の機運に便乗することで多くの支持者を獲得しました。その結果、1920年には憲法修正第18条により酒類の製造・販売が禁止され、1933年に同条項が廃止されるまで、アメリカ史上特異な「禁酒法時代」が続くこととなりました。