スティーブン・A・ダグラスが指摘した「逃亡奴隷法」への反対勢力
1850年妥協の一部として成立した「逃亡奴隷法(Fugitive Slave Act)」は、アメリカ史上最も物議を醸した法律の一つです。イリノイ州選出の上院議員スティーブン・A・ダグラス(Stephen A. Douglas)は、この法律に反対する勢力として、次の3つのグループを挙げました。
1. 奴隷制廃止論者(アボリショニスト)
奴隷制度そのものの即時廃止を目指す活動家たちです。彼らは逃亡奴隷法を道徳的に許容できない悪法とみなし、北部各地で激しい抗議運動を展開しました。
2. 自由土地党(Free-Soil Party)
新たな西部領土への奴隷制拡大に反対することを掲げた政党です。奴隷制の完全な廃止よりも拡大阻止を主眼としていましたが、逃亡奴隷法に対しては明確に反対の立場を取りました。
3. 北部民主党(Northern Democrats)
民主党は当時、南北にまたがる全国政党でしたが、北部の民主党員の間にも逃亡奴隷法に反対する者が多く存在し、党内の足並みが乱れる一因となりました。
これら3つの勢力による反対運動は、北部と南部の対立をさらに深刻化させ、やがて南北戦争へと至る緊張の高まりの背景となりました。