モースが指摘した連合規約の5つの欠陥
サミュエル・F・B・モースによれば、アメリカ合衆国初期の基本法であった連合規約(Articles of Confederation)には、中央政府の機能を大きく制約するいくつかの重大な欠陥があるとされていました。ここでは、モースが挙げた主な問題点を5つに分けて解説します。
1. 国家執行部門の欠如
モースは、連合規約に強力な行政権(大統領に相当する執行機関)が存在しないことを批判しました。その結果、中央政府が政策を実行する力が弱まり、統治の有効性が大きく損なわれていたと主張しています。
2. 不十分な国家立法権
モースは、連邦政府がより広範な立法権限を持つべきだと考えていました。全国規模で法律を制定し、それを執行できる体制がなければ、国家として一貫した統治は不可能になると指摘しました。
3. 司法権の欠如
国家レベルの司法制度が存在しないことも深刻な問題でした。モースは、法律を解釈し適用するための独立した司法府を設ける必要性を強調しています。
4. 財政上の弱点
連合規約下の政府には連邦税を課税する権限がなく、これが国家の慢性的な財政難の原因となっていました。モースは、この財政面での脆弱性を重要な欠陥の一つとして挙げています。
5. 規約改正の困難さ
連合規約を改正するには、13州すべての全会一致の同意が必要でした。そのため、欠陥を修正することが事実上ほぼ不可能であり、極めて硬直的な憲法枠組みが生まれていたとモースは指摘しました。
新憲法制定への道
モースは、これらの欠陥が新国家の効率的な統治と団結を妨げていると考え、新しい憲法の制定が不可欠であると結論付けました。こうした問題意識はやがて合衆国憲法の起草へとつながり、より強固な中央政府を持つ国家の基盤が築かれていきました。