北米の歴史

世界一周を果たした最初のアメリカ人は誰?ジョシュア・スローカムの生涯

ジョシュア・スローカム――史上初の単独世界周航を成し遂げた男

ジョシュア・スローカム(Joshua Slocum、1844年2月20日~1909年11月14日)は、カナダ生まれのアメリカの船乗り、冒険家、作家です。全長約11メートル(36.5フィート)の小型帆船「スプレー号」にたった一人で乗り込み、史上初となる単独世界一周航海を成し遂げたことで、その名を不朽のものとしました。

海に生きた少年時代

スローカムは1844年、カナダ・ノバスコシア州マウント・ハンリーに生まれました。わずか12歳で海に出ると、21歳までに南極大陸を除くすべての大陸への航海を経験するほどの腕前に成長していました。

「スプレー号」による偉業

1895年、スローカムはボストンからスプレー号で出航しました。航海中には猛烈な嵐、氷山、さらには海賊など、数々の危機に直面します。それでも彼は3年間に及ぶ航海を完遂し、総航行距離は46,000マイル(約74,000キロ)を超えました。

過酷な旅の中でも、彼は海の美しさや感動的な瞬間を多く経験しました。その貴重な体験は書物として結実し、なかでも1899年に出版された『Sailing Alone Around the World(ひとりぼっちの世界一周)』はベストセラーとなり、世界中の読者を魅了しました。

謎に包まれた最期

スローカムは70歳近くになるまで海と共に生き続けました。1909年、マサチューセッツ州マーサズ・ヴィニヤードから再び単独での世界周航へと旅立ちますが、そのまま洋上で消息を絶ち、遺体はついに発見されませんでした。

今も生き続ける遺産

悲劇的な結末を迎えたものの、スローカムの功績は色あせることなく語り継がれています。彼は史上最高の船乗りの一人として記憶されており、その冒険の物語は今日もなお、世界中の人々の心を鼓舞し続けているのです。