孤立主義的な政策は、アメリカ合衆国がナチス・ドイツの台頭を阻止し、戦争の勃発を防ぐための行動を取ることを妨げたため、第二次世界大戦の原因の一つと考えられています。ここでは、当時のアメリカにおける孤立主義を象徴する三つの要素を紹介します。
中立法(Neutrality Acts)
1930年代、アメリカは一連の中立法を可決しました。これらの法律は、交戦国への武器販売を禁止するとともに、アメリカ市民が交戦国の船舶に乗船することも禁じるものでした。その結果、イギリスやフランスといったナチス・ドイツと戦う国々に対して、アメリカが支援を行うことが極めて困難になりました。
ナイ委員会(Nye Committee)
ナイ委員会は、1930年代に軍需産業の実態を調査したアメリカ上院の特別委員会です。1936年に公表された調査報告は、軍需産業が第一次世界大戦の開戦に関与していた可能性を指摘し、アメリカは今後の戦争への関与を避けるべきだと結論づけました。この報告書は国内の孤立主義感情を一層強め、政府がナチス・ドイツの脅威に対して毅然とした対応を取ることをさらに難しくしました。
アメリカ・ファースト委員会(America First Committee)
アメリカ・ファースト委員会は、アメリカの第二次世界大戦参戦に反対した大規模な政治団体です。同委員会は「アメリカは自国の国内問題に集中すべきであり、海外の紛争に巻き込まれるべきではない」と主張しました。特に中西部を中心に幅広い支持を集め、真珠湾攻撃が起きるまでアメリカを戦争から遠ざける大きな力となりました。
まとめ
結論として、アメリカにおける孤立主義政策は、ナチス・ドイツの台頭を食い止める機会を逃させ、第二次世界大戦の勃発につながった要因の一つと評価されています。ただし、歴史学的には戦争の原因は多面的であり、孤立主義はその一側面にすぎないという見方もある点には留意が必要です。