南アメリカの歴史

女性に選挙権を与えない法律はいつ作られたのか?歴史的事実をわかりやすく解説

「女性に選挙権を与えない法律」は本当に存在したのか?

結論から述べると、世界中の女性を一律に選挙権から排除するような、単一の普遍的な法律は歴史上存在していません。女性の投票を制限していたのは、特定の国や社会それぞれが持つ個別の法律や慣習であり、その内容は時代や地域によって大きく異なっていました。

つまり、「ある日、どこかの政府が『女性は投票してはならない』という法律を制定した」という出来事があったわけではなく、むしろ多くの社会では、そもそも当初から選挙権の対象が男性に限定されているのが前提とされていたのです。

各国に見られた女性参政権の制限

とはいえ、歴史を振り返れば、多くの国で女性の政治参加は法的・慣習的に制限されてきました。代表的な例を挙げます。

  • イギリス:1832年の改正選挙法で、投票資格者が「男性(male person)」であると初めて明文化されました。
  • アメリカ合衆国:州ごとに規定が異なっており、連邦レベルで性別による投票権の差別が禁止されたのは1920年の憲法修正第19条でした。
  • 日本:1925年の普通選挙法でも選挙権は25歳以上の男性に限られ、女性に参政権が認められたのは終戦直後の1945年12月でした。

女性参政権を勝ち取った歴史の歩み

こうした制限に対して、19世紀後半以降、欧米やアジア各地で女性参政権運動(サフラジェット運動など)が盛んになりました。その結果として、主な国々は以下のような時期に女性の選挙権を認めています。

  • ニュージーランド:1893年 — 世界で最初に国民レベルで女性参政権を実現した国
  • フィンランド:1906年 — 欧州初、かつ被選挙権も含めて認められた先駆的例
  • イギリス:1918年に一定条件の女性へ付与、1928年に男性と対等の選挙権を実現
  • アメリカ合衆国:1920年
  • フランス:1944年
  • スイス:連邦レベルでは1971年と、先進国の中でも非常に遅い実現となりました

まとめ

「女性に選挙権を与えない法律」がいつ制定されたのかという問いに対する答えは、そうした単一の法律は存在しなかったということです。歴史の大半において、選挙権は男性のみに与えられるものと暗黙のうちに想定され、一部の社会ではそれが明示的な法律や伝統として固められてきました。女性たちが長年の闘争の末に参政権を獲得できたのは、ようやく19世紀末から20世紀にかけてのことだったのです。